なぜ鏡は左右だけ反転して見えるのか
短い答え：左右方向が反転している自分をイメージしているから。
再・なぜ鏡は左右だけ反転して見えるのか
すいません。短い答えに納得できる方はそもそもこんなこと調べないと思うので、もう少し詳しく説明してみます。
長い答え：
反転しうる要素
反転しうる要素は実は三つあります：
- 上下方向
- 左右方向
- 前後方向
そして、これらのうち二つはそのままの方向で、どれか一つだけが反転します。 どういうことか、まず一つ目のパターンを考えてみましょう。
上下と左右が一致していて、前後が反転
一つ目のパターンは、上下と左右が一致していて、残りの前後が反転しているパターン。 実はあなたが鏡と向かい合っている時はこのパターン。
頭はどちらも上にあり、足は下にある。 右手はどちらも右側にあるし、左手は左側にある。鏡の中の右側にある手は、自分の右手。…ですよね？ 右手を動かせば、鏡の中の右側にある手が動くはずです。
違うのは残った前後方向。あなたは鏡の方を向いていますが、鏡の中のあなたは、あなたの後頭部方向を向いています。
納得がいかない？おそらくあなたは次のパターンを無意識に考えていると思います。
上下と前後が一致していて、左右が反転
二つ目のパターンは、上下と前後が一致していて、残りの左右が反転しているパターン。 おそらく大多数の人は前のパターンの説明を見て、「くるっと回れば左右が反対になるじゃん」と思ったと思います。 ご安心ください。それは正しいです！
この「くるっと回る」。これが超！超！超～大切なポイントです。
最初に「二つはそのままの方向で、どれか一つだけが反転する。」と私は言いました。 そのくるっと回ることで何が起きたかというと、前後方向を一致させたということです。 鏡の中の自分は今まで自分の後頭部方向を向いていたわけですが、今度は自分自身が後頭部方向に変わり、前後方向が鏡と一致しました！ 上下方向と前後方向が一致したので、残りの左右方向が反対になったわけです。
人は自然と「くるっと回る」という動作（あるいはイメージ）によって、鏡と実際の自分の前後方向をそろえようとしてしまいます。（実は上下方向はそろったままです。） その結果、残りの左右が反転しているように感じてしまうわけです。
左右と前後が一致していて、上下が反転
最後三つ目のパターンです。
先ほど「くるっと回り」ました。この時、無意識に左右方向に回りませんでしたか？人間にとってそれが自然に感じるからですね。 でも、上下に「くるっと回る」ことだってできるはずです。 鏡に向かい合ってる状態から、下に手をついて逆立ちをするとどうなりますか？ 元の鏡に対して、左右方向と前後方向が同じになりますね。頭が下になっているので上下方向は逆になっています。
上下にくるっと回ったり、逆立ちするなんて普通イメージしないので違和感バリバリでしょうけど、この三つ目のパターンでもちゃんと考えると、二つはそのままの方向で、一つだけが反転する結果となりました。
「くるっと回る」のまとめ
「くるっと回る」動作にはパターンが切り替わる効果があります。 みんなが自然に考える左右方向にくるっと回るだけではなく、上下にくるっと回る方法もあります。 くるっと回って後ろを向くと、前後方向が鏡と一致します。その代償として、左右方向か上下方向が反対になってしまいます。
くるっと回る前から（前後方向が）反転していますが、くるっと回っても必ずどこかの方向が反転しています。
で？結局なんで左右だけ反転して見えるのか？
これまで上げた通り、反転パターンの感じ方は三通りあります。 必ず上下・左右・前後のうちどれかは反転するのですが、無意識のうちに、まず上下方向と前後方向を鏡に自分を合わせてしまい、残った左右方向が反転するパターンを選んでしまうのが理由です。
短い答えの言い方を変えます。
短い答え：上下方向と前後方向が鏡と一致している自分をイメージしているから。
